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ボッソウ周辺の調査地域

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ボッソウ周辺の調査地域
  セリンバラ(ギニア共和国)
SERINGBARA, Guinea

セリンバラ村は、ボッソウから南東に6Kmの地点、ニンバ山のふもとにあります(北緯7度37分81、西経8度27分73)。Gahtoyキャンプ(北緯7度39分57、西経8度25分08)とKiepaキャンプとMadeキャンプいう3つの調査キャンプが保護区内に設置されています。

1999年に2回にわたっておこなわれた短期調査では、村近くの森でチンパンジーの残したベッドと食べ物が発見され、この場所にチンパンジーがいることがわかりました(嶋田, 2000)。実際、70個以上のベッドがこの地域で発見され、チンパンジーの鳴き声も頻繁に確認されています。これらの結果より、この地域にはチンパンジーの群れが住んでいるものと思われます。2000年1月から2月には松沢教授らが、2000年6月から9月、2001年6月から9月にはハムレがセリンバラ森林を訪れ、ベッドや食痕、道具を使用したと思われる跡など、チンパンジーがいると思われる証拠を確認しました(Humle and Matsuzawa, 2001)。ハムレの調査では、ベッドの数は1~21個でした。子どもの数を考慮すると、群れの個体数は少なくとも30個体であり、9個体の子どもを持った大人メスが存在すると思われます。

おそらく、セリンバラ村からニンバ山に向かって少し上がったところにチンパンジーの群れが2群以上暮らしていると思われます。群れの個体数などについては、今後の研究がすすむにつれてわかるでしょう。また、研究者が滞在するセリンバラでは村人たちの環境保全に対する意識が強くなってきています。1999年からチンパンジーの調査に村人を雇用することで、より一層、自然資源への保全に現地の人々が関わるようになっています。

この地域では、密猟者が保護区に入ることはありますが、チンパンジーを狙ったものではないので、チンパンジーを直接脅威にさらすものはないといえます。また、密猟の回数はこの3年間で減少しています。乾期の山火事がチンパンジーの分布に影響を与えていると思われますが、その影響についてはまだ証明されていません。セリンバラ村ボッソウ村の原住民であるマノンの人々は、チンパンジーを先祖の生まれ変わりだと考えており、そのためにこの地域のチンパンジーたちは現地の人々に様々な形で保護されています。

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  イヤレ(コートジボワール)
YEALE

イヤレ村はボッソウから南東に12Km、ニンバ山の南側に位置します(北緯7度32分西経8度25分)。

1993年に松沢と山越によって調査が始められてから、ダナネにある"Centre des Eaux et Forets" という現地の機関と協力して、この地域のチンパンジーを人間に馴れさせる計画が進められてきました。予備調査および地元の人々から得られた情報から、この地域には3つのチンパンジーの群れがいると推測され、保護区を横切るニオン、ヤン、テュアという大きな3つの川の流域それぞれに互いに接するように生息しているだろうと考えられています。

1999年より、ハムレはこの地域でのより詳しい調査を続けています。主要なキャンプ場所として、村から3時間半歩いた保護区内にYanleuキャンプ場が(北緯7度33分西経8度28分)設立されました。
しかし、2001年からはこの地域の政情不安のためKUPRIの研究者による調査はおこなわれていません。

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  ゴエラ(ギニア共和国)
GOUELA

ゴエラはボッソウから南東に15km、ニンバ山のコートジボアール側に位置します(北緯7度37分西経8度22分) 。丘全体が原生林に覆われています。

1991年、杉山はゴエラでチンパンジーを発見し、ベッドの跡やアリつりの存在を確認しました(Sugiyama et al., 1995)。1991年、嶋田は再びこの地を訪れ、チンパンジーがいるというより強い証拠を確認しました (Shimada, 2000)。

この森林では、ヒトがいた跡や罠があり、チンパンジーが非常に警戒していることから、密猟がおこなわれていると推測されています。

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  デレ(ギニア共和国)
DERE

 デレはティアプル保護区(コートジボワール)に隣接した8920haの森林で、ニンバ山から15kmに位置します(北緯7度32分から7度38分、西経8度10分から8度18分)。ギニアの一番東側にある森林の一つです。

変化に富んだ地形で、湿地や低地、さらに742mの山(Mont Tiéton)もあります。ニンバ山の森林に比べると植物の種類が多く、コビトカバなどの大型の哺乳類がいることも報告されています。1990年のはじめごろまでは「黒い森(la forét noire)」と呼ばれるほど樹冠が連なり、植物の種類も多く、泉や河川などの水資源も豊かな森でした。

しかし、近年、人間の活動が森林に入り込むようになり、森は断片的になっています。

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  ディエケの森 (ギニア共和国)
DIECKE

ディエケの森(foret classee de Diecke)は、ボッソウから約50km西に位置します。保護区の面積は約700k㎡にわたり、東西・南北にそれぞれ幅35kmの距離があります。ディエケの森は、ンゼレコレ市の"Centre Forestier"によって管理されています。

現在のところ、ヨーソノ村(保護区の西、北緯7度38分西経8度30分)とノーナ村(保護区の東、北緯7度33分西経9度05分)という二つの村の近くで調査がおこなわれています。ディエケは、原生林に覆われた森で、小高い丘がいくつも連続しており、一番標高の高いところは589mです(Matsuzawa et al., 1999)。この保護区にどれだけのチンパンジーが住み、群れがいくつあるのか、詳しいことはまだ分かっていませんが、予備的行動調査から、これらの地域での道具使用に特に関心が集まっています(cf. Humle and Matsuzawa, 2001)。

狩猟圧はノーナではそれほど高くはないのですが、ヨーソノでは、2001年7月までにチンパンジーの狩猟がおこなわれた報告書がいくつかあります。狩猟は、この保護区での大きな問題ですが、この地域にすむチンパンジーの集団を脅かすことについてよく考えることが大切です。

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  ボンラ、キャンプフォー、ペイレプラ (リベリア)
Bonla, Camp4, and Kpei-Lepula

ボッソウから南西方向へ数キロメートル進むと、リベリアとの国境に到着します。ボッソウのチンパンジーは二次林を経由してリベリアの森を訪れることが報告されています(Ohashi, 2006)。

2006年2月より、リベリア共和国ニンバ州において野生チンパンジーの分布調査を開始しました。予備調査の結果、ニンバ州において少なくとも3箇所で野生チンパンジーが生息することを痕跡から 判断することができました。ボンラ、キャンプフォー、ペイレプラという3つの村周辺の森です。痕跡から判断するとボンラではアリ釣りを、ボンラとペイレプラではクーラという種のナッツ割りをおこ なっていると判断できました。

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