HOME » ボッソウのチンパンジーで見られる行動» アリ釣り
アリ釣り
Ant-Dippingアリ釣り
Ant-Dipping
ボッソウのチンパンジーは、木の枝をアリの行列に浸し、釣りあげます(Sugiyama
et al, 1988; Sugiyama, 1995)。多くの場合、サファリアリDorylus molestus を食べますが、ハタオリアリOecophylla
longinoda も食べます。
サファリアリは地下にトンネル状の巣を作るので、アリが地表にいない限り簡単に見つけることができません。アリの巣を手で掘り起こしてアリを捕まえたり、地面を動いているアリを直接捕まえたりすることもよくあります。
一般的なアリ釣りの方法は、人差し指と中指にはさんで木の枝を持ち、アリの集団に枝を浸して、アリが枝に噛みつくように枝を前後に動かします。アリが枝に登ってきたところで、多くの場合は下唇で直接アリを枝からこし取って食べます。
シロアリ釣り
Termite-Fishingボッソウでは、1997年まで、遊動域内にシロアリMacrotermes sp.の塚があるにもかかわらず、シロアリを枝で釣る行動は観察されたことがありませんでした。1997年の雨季の終わりに、はじめてメスのチンパンジー"ヨ"とその6歳の息子"ヨロ"が 、草本の茎を使ってシロアリを釣るのが観察されました(Humle, 1999)。アリ塚の穴に茎を差込み、シロアリがついてきたところで引き抜いて、茎の端を口に持っていきシロアリを食べました。